以下は、2020/6月時点での最新版 ’Orion 2020.2' の導入手順です。
Orion製品はWindowsサーバ(W2016, W2019, W2012R2)に導入可能です。
Orionの導入では大きく分けて以下の3つが用意されています。
1. 軽量インストール
・Orion製品とSQL Express が同時に導入される。(*SQLDBは監視用データ格納場所として利用される)
・SQLDBの設定も自動で処理/導入されるので、非常に簡単に導入できる
・OrionとSQLがOS上に同居し、且つSQL EXpressが利用される為、パフォーマンス面で良くない
・SQLDBが自動構築される為、SQLDBへのアクセスをしやすくするには、いくつかの作業が要る
(例:SQL構成マネージャで外部アクセスを有効にすること。MS SQL Management Studioを導入> Windows認証でログイン> (必要に応じ)saアカウントのパスワード変更など)
以上より、これは評価用(継続利用しないこと)として利用されることを推奨する
2. 標準インストール
・予め用意しておいたSQLDBサーバを利用する (SQLDBとそのアクセスCredentialを用意しておく必要がある)
・Orion製品の導入のみ
・OrionとSQLが別サーバで構成されるので、SQLDBの設定自由度が高く、パフォーマンスに優れる
以上より、実運用環境への構築の場合、或いは評価からそのまま実運用への移行を予定の場合は、こちらの手法を推奨する
※運用を見据えた導入の場合は、以下情報も合わせて活用ください。
・Orion製品全般-導入に関する予備知識
・Orion構築のためのSQLサーバ導入-構築のヒント
3. スケーラビリティエンジン追加
追加ポーリングエンジン、High Availability(冗長化)、追加Webコンソール の導入用
> これらは既存でOrionサーバを利用している場合のオプション。この記事では言及しない
また、Orion導入用ファイル(.exe)は、オンライン/オフラインの各インストーラファイルが用意されています。
A. オンラインインストーラファイル
・ファイル自身は100MBに満たない
・導入に必要なファイルは、その導入過程でインターネットを介してダウンロードしながら進む
・常に最新の状態での導入が可能
・(自明だが)インターネットにアクセスできない環境では利用できない
B. オフラインインストーラファイル
・約4GBのファイルサイズ (*全Orion製品の導入ファイルが含まれている為)
・インターネットへのアクセスが不要
・同インストーラファイルの入手時期によっては、最新状態での導入にならない。(*過去に入手したファイル名が同じでも、中身が異なるケースがある)
※購入前の場合、弊社サイトからオンラインインストーラの入手が可能。オフラインインストーラファイルが必要な場合は弊社或いはパートナー社にご相談ください
(*購入後には、いずれのファイルもカスタマーポータルから入手可能)
インストールプロセスは、大きく分けて2つある
1. インストールウィザード:導入場所、製品、導入方法(軽量/標準など)を決定し、ファイルの導入から展開までのプロセス
2. 設定ウィザード: 導入された製品が動作するのに必要なコンポーネント(データベース、Webサイト、サービス)が構成されるプロセス
(*オンライン/オフラインにかかわらず、インストールプロセスで表示される各画面は同じ)
※ヒント:
・Windowsローカルアドミン権限を持つアカウントで導入必要 (*Domain Adminではなく)
・現在のOrionは「.NET Framework 4.8」を構成し利用する。Online/Offline いずれの導入方法でも、予め導入しておくことで導入時間の短縮になる。
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A. オンラインインストーラを利用して、NPMのみを'軽量インストール'で導入する例
1. exe実行
・MSMQなど、必要なWindowsコンポーネントは自動で導入される
2. ようこその画面。この例では '軽量インストール' を選択する
・デフォルトの導入フォルダは、C:\Program Files (x86)\SolarWinds\Orion 触る必要なし
3. 導入製品の確認
・NPMインストーラ利用の為、NPMが選択されているが、他の製品を選択することで一括導入可能
・日本語環境の場合、自動的にJapaneseが選択されている
4. EULA(ライセンスの同意)
5. インストールのプロセス
・必要なファイルがダウンロードされながら進む。(*ここでの時間は、回線速度や選択製品に依存)
6. 完了の表示
・終了をクリック> 裏で自動で設定ウィザードが進んでいることが確認できる
・設定ウィザード画面
7. 設定ウィザードの完了> 終了をクリックでWebコンソールが自動で起動する
・タスクマネージャを開き、CPU動作がある程度収まってから、Webコンソールにアクセスするのが良い
導入プロセスは上記まで。この後は、
・Webコンソールログイン画面でAdminのパスワードを設定(任意)
・検出ウィザードが開始される。監視機器の検出ウィザードを進める。
にて、初期の監視準備を進めていく。
※軽量インストールによる導入時は、Webコンソールへのアクセスで利用されるポートが「8787」に設定されている為、URLに手書きでアクセスする場合、http://{IPアドレス}:8787 のように付加する必要がある。
※参考:上の例では、「4コアCPU、8GBメモリ、60GB容量」のW2019(仮想サーバ)で、
・インストールウィザードで約10分
・設定ウィザードで約6分
で完了した。(*環境に依存する為、参考までの情報として)
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B. オンラインインストーラを利用して、NPMのみを'標準インストール'で導入する例
※SQLサーバは予め別サーバに立てられており、外部からのアクセスが可能な状態であることが条件。以下合わせて参照ください
・Orion製品全般-導入に関する予備知識
・Orion構築のためのSQLサーバ導入-構築のヒント
1~5(インストールウィザード部分)は、軽量インストールと同様に進める。(*軽量インストールと比較では以下の点で異なる)
a). 2で「標準インストール」を選択
b). NPMに付属するSyslog/Trap収集機能である「Orion Log Viewer」の導入選択画面> 詳細をクリック
・Orion Log Viewer アドオン選択画面> 「確認します」を選択して進める
参考:キャンセルを選択するとレガシー機能である「Syslog/TrapViewer」が代わりに導入されるが、これは近い将来廃止になる可能性があり、推奨しない
6. 完了の表示
・終了をクリック> 裏で自動で設定ウィザードが起動してくる
7. 次へで進め、SQLサーバへのアクセスクレデンシャルの設定
・ここでは、SQLサーバ(インスタンス)にアクセスするための情報を入れる
・このSQLサーバをOrion専用として、他の目的で利用する予定が無ければ、saを利用するのが簡単で確実
・SSL接続は任意 (*SQLとの接続にSSLが利用されるのみで、データが暗号化される訳ではない)
※SQL Server の指定方法は、事前に用意しているSQLサーバの構成方法で異なってくる。
-IPアドレスやホスト名のみで指定
-{HostnameまたはIPアドレス}\SQLEXPRESS のように、SQLインスタンスも指定
-{HostnameまたはIPアドレス},1433\SQLEXPRESS のように、SQLサーバにアクセスするためのポート番号を合わせて指定
8. 新規作成されるOrion用データベース名の指定
・データベース名の指定は任意 (デフォルトのままでも良い)
(*参考:既存のデータベース使用はリストアする場合などで利用される)
9. Orionデータベースに対するアクセスクレデンシャルの作成
・このSQLサーバをOrion専用として、他の目的で利用する予定が無ければ、saを利用するのが簡単で確実
10. Webサイトの設定では、http(80)か、https(443) の選択が可能
・Windows認証設定は導入後でも設定可能なので、ここで設定する必要はない
・それ以外の箇所は特に理由がない限り、触る必要なし
・ディレクトリ作成確認と、IPアドレス/TCPポートの組合せ確認の各Popupが出るが、「はい」で進む
11. 導入されるサービスでは特に触らずに、次へ
参考:
・NTAを同時に導入する場合は、Orion Log Viewer 設定の前に、NTA用FlowDatabaseの設定箇所が加わる。
・NTA用FlowDatabaseの設定では、基本的にOrionDatabaseと同じクレデンシャルを利用するように設定する
・以下のOrion Log Viewerデータベース設定と同じく、NTA用Flowデータベースも通常は同一SQLサーバ上に構築することで良い
12. Orion Log Viewer 用データベース作成の場面
・プライマリデータベースと同じSQL で進める
(*エンタープライズのような大規模環境でない限り、SQLサーバを分ける必要はない)
・”...同じSQL Serverに配置” の場合、SQLクレデンシャルの設定は求められない。(自動的にOrionDBと同じクレデンシャルが利用される)
13. 新規作成されるOrion Log Viewer用データベース名の指定
・データベース名の指定は任意 (デフォルトのままでも良い)
(*参考:既存のデータベース使用はリストアする場合などで利用される)
14. 導入サマリーの表示。次へで進める> 設定ウィザードが進む
15. 設定ウィザードの完了> 終了をクリックでWebコンソールが自動で起動する
・タスクマネージャを開き、CPU動作がある程度収まってから、Webコンソールにアクセスするのが良い
この後は、
・Webコンソールログイン画面でAdminのパスワードを設定(任意)
・検出ウィザードが開始される。監視機器の検出ウィザードを進める。
にて、初期の監視準備を進めていく