Version 2

    これは、以下の英語記事を元に、日本語化したものです。

    Orion MIB Database – What Is It Good For?

     

     

    Orion NPMには、非常に多くのOIDを含む大きなMIBデータベース(約100万OID)が含まれている(*1)が、このMIBDBが何のために用意されているものかなのを正確に理解しているユーザは割と少ない。

     

    このMIBDBの主な用途の1つは、NPMで受信するTrapデータに対する処理である。NPMのTrapサービスは「リスナー」であり、つまり、Trap受信の為にポート(デフォルト:UDP162)を開放して待機し、そのポートにトラップが送信されるとそれを受信しメッセージを処理する。その処理において、このMIBデータベースが用いられトラップのOIDが調べられる。さらに、Trap Viewerにて、特定のトラップに基づいて何らかのアクションの設定を施すルールを作成する場合には、下のスクリーンショットのように、このMIBデータベース内の検索を可能にしている。

     

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    他の目的として、ユニバーサルデバイスポーラー(UnDP)を作成する場合にも、このMIBデータベースの利用が可能。

    UnDP作成プロセスの一環として、ポーリングするターゲットOIDを指定する必要がある。そのOIDが予めわかっている場合は、これを入力することでMIBデータベースが参照され、一致するOIDがあれば、その関連情報(名前、説明、MIB値タイプ)が自動的に引っ張ってこられる。

     

    UnDPに関しては「ポーリングするOIDがMIBデータベースに存在している必要がある」と認識されていることがあるが、これは誤解である。UnDPでは、そのOIDがMIBデータベースにあるかどうかにかかわらず、適切なOIDが指定されていればポーリングは可能。つまり、UnDPにおけるMIBDBの役割は、そのOIDの「名前、説明、およびその他の詳細」を自動で引っ張ってくるか否かのみである。

     

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    一方で、もし必要とするOIDが分からない場合はどうか?例えば、あるCisco機器の温度を測定したいが、そのOIDがわからない。このような場合、UnDPの「Browse MIB Tree」をクリックし、MIBツリーのCiscoセクションを参照することができるが、この時にこのMIBデータベースが利用される。また「Search MIBs」をクリックして検索語を入力しても関連OIDのリストが表示されるが、これもMIBデータベースが参照される。特定のデバイスについてどのOIDが分からない場合、この検索機能は一つの有効な手段ととなる。

     

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    では、このMIBDBが"利用されない"のはどのような場合なのか?一般のツールではMIBデータベースはデバイスの識別に使用される。

    一方で、Orion NPMでは、ノード検出機能や手動によるノード追加によってあらゆる種類のデバイスを自動的に認識できるが、このプロセスでは、SNMPクエリの実行により「sysobjectID」と呼ばれるOIDを参照・取得する。Orionはこれを、上のMIBデータベースとは全く異なるデータベースを参照して、何のOIDをもってその機器の統計情報(CPU、メモリ、トラフィック、など)を取得するのかを識別する。従って、Orionの検出において、あるデバイスが認識できない場合において、MIBデータベースを更新しても意味がない。更新する必要があるのは「sysobjectID」を識別する(検出用の)データベースであり、これはバージョンやサービスパックのリリースに含まれることで更新される。つまり、これはMIBデータベースの更新の一部ではない。

     

    なぜ、Orionにはデータベースが2つあるのか?これはOrion製品の歴史に紐づいている。

    sysobjectidデータベースは、OrionがTrapサービスやUnDP機能を持つずっと前から存在していた。その後、NPM8.0の時代にTrapサービスが追加され、9.0の時代にUnDPが追加された。これらの機能は両方とも堅牢なMIBデータベースを必要としたが、sysobjectidデータベースは適切ではなかった。その為、Engineer's ToolsetからこのMIBデータベースを継承し、TrapサービスやUnDPに利用された。

    将来的には、これら2つのデータベースが統合される可能性もあるが、現状ではこれら2つのDBがそれぞれの目的で用いられている。

     

     

    (*このthwack記事は2009時点のものですが、2019/6の時点においても、この構造は変わっていません)

     

    (*1, このMIBDBの中身は、任意のノード詳細ページ内「MIBブラウザ」からでも閲覧できる)

      

     

      

     

     

     

     

    [関連情報]

    全般: トラップビューア(Trap Viewer) クイックビュー

    NPM: ユニバーサル・デバイス・ポーラー クイックビュー

    ポーラーの追加

    デバイススタジオを使ったCPUとメモリの監視設定